映画「下弦の月 ラスト・クォーター」のほか、テレビドラマやミュージックビデオなども手がける映像作家の二階健が、現代の京都と18世紀のパリをつないで幻想的に描くファンタジー。 CGクリエイターとして東京で働くエナ。仕事は単調な映像加工作業ばかりで創造力を発揮する余地もなく、自信を失った彼女は奇病を患い、顔の半分に奇妙なアザができてしまう。故郷の京都に戻ったエナは、鴨川でスケッチをしたり、いつもパズルに夢中なオーナーのジノがいるカフェで日々を過ごす。そんなある日、不気味なガイコツの被り物をしたロベールという男と出会ったエナは、謎めいた骨董品店へ足を踏み入れ、そこから18世紀のパリへと迷い込む。そこで当時のパリを席巻したロベルトソンの怪奇幻灯ショー 「Fantasmagorie(ファンタスマゴリー)」を目にし、現代では失われてしまったアナログの魅力に、すっかり心を奪われていく。 主人公エナを演じたのは、「ビューティフルドリーマー」などで俳優として活躍する一方、「海辺の金魚」などで映画監督の顔ももつ小川紗良。ジノ役は永瀬正敏が演じ、ロベルトソン役は「下弦の月 ラスト・クォーター」でも二階監督とタッグを組んだHYDEが務めた。